皆さん、こんにちは。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】です。
歯周病は中高年の病気だと思っていませんか?
日本では歯周病にかかっている方が多く、年齢とともに発症率は上がっています。
けれども、お子さんも歯周病にかかる可能性があるのです。
実際に、令和4年度(2022年)の歯科疾患実態調査によると、10〜14歳の40.2%、15〜19歳の34.7%に、歯ぐきからの出血が見られます。
歯ぐきからの出血は、歯周病の代表的な初期症状の一つです。
また、15〜19歳の14.3%が4mm以上の歯周ポケットを有しています。
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にあるすき間のことで、2mm以下であれば健康な状態といえます。
4mmとなると、歯周病が進行していて、できるだけ早く治療を始めた方がいい状態です。
参考: 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」表19より >
歯周病は悪化すると、歯を支える組織が溶かされて歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪い影響をおよぼすことがわかっています。
歯周病の進行をストップさせて、健康な状態を取り戻すためにも、ご家族の皆さんが揃って適切なオーラルケアを身に着けることが大切です。
ここでは、子どもの歯周病と歯周病対策に必要なことについてお話しします。
谷村 博史 院長
当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。
医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長
Contents
子どもの歯周病が増えている?
15~24歳で4mm以上の歯周ポケットを有する方の割合を見てみると、平成17年(2005年)の7.2%に対して、平成23年(2011)年では8.5%、平成28年(2016年)では17.6%、令和4年(2022年)では17.8%と増加していることがわかります。
参考: 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」表18、表19より >
歯周病は歯を失う病気というイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるでしょう。
歯周病になるといきなり歯が抜けるのではなく、初期の段階では、
・歯ぐきの腫れ
・歯ぐきからの出血
といった症状が見られます。
初期の段階の歯周病は、「歯肉炎」ともよばれます。
歯肉炎が進行すると、歯を支えている歯周組織が溶かされる「歯周炎」となるのです。
子どもの場合は、歯周炎の前段階である「歯肉炎」の症状が多く見られていて、歯肉炎から歯周病へと悪化するケースはあまり多くないかもしれません。
けれども、歯肉炎になってしまう原因をしっかりと取り除いておかないと、将来的に歯周炎となるリスクが高いといえます。
子どもに見られる歯肉炎の種類
子どもの歯肉炎には、大人とは違う特徴があります。
いくつかのタイプに分かれていて、通常の歯周病よりも早いスピードで進行するものもありますので、症状を見逃すことがないように、気になることがあればできるだけ早くご来院ください。
萌出性歯肉炎
萌出性歯肉炎は、歯が生えてくるタイミングで発症する歯肉炎です。
永久歯は生え始めてから生え終わるまでに時間がかかり、その間は周りの歯と高さが揃っていません。
また、歯ぐきに埋まっている部分も多いことから、磨き残しが多くなりやすい状態です。
さらに、生えたての歯は溝が深く、その溝にも食べ残しがたまることで、細菌が増殖し炎症の原因となります。
一時的な症状であるケースが多く、歯が生えるにしたがって症状が落ち着く方がほとんどですが、なかには腫れや痛みが強く出るお子さんもいらっしゃいます。
6歳臼歯や12歳臼歯が生える時期に多く見られますので、しっかりと仕上げ磨きを行って、汚れがたまらないように気を付けましょう。
不潔性歯肉炎
日々の歯磨きが不十分なことが原因で起こる歯肉炎です。
磨き残しがあることで、細菌が繁殖し歯垢(プラーク)となります。
プラークが生み出す毒素によって、歯ぐきが炎症を起こして歯肉炎となるのです。
このタイプの歯肉炎では、丁寧に歯を磨いてプラークを取り除けば改善できる可能性があります。
お子さんの場合は、成長に合わせた歯の磨き方を取り入れることが大切です。
また、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを活用することで、汚れの除去率を高めることができます。
思春期性歯肉炎
思春期に見られる歯肉炎です。
思春期になると、ホルモンのバランスが崩れて、歯ぐきへの血液量が増加して歯ぐきが腫れたり出血したりしやすくなります。
また、部活や塾で帰宅が遅くなったり、行動範囲が広がったりすることから、自宅以外で飲食する機会が増えて、食生活や日常生活のリズムが変化しやすい時期でもあります。
忙しくなることでお口のお手入れに十分な時間が取れずに、お口の中が不衛生になる可能性が高くなるのです。
歯科医院で磨き方のアドバイスを受けて、お口の中を清潔な状態に保つ習慣を身につけることが大切です。
若年性歯周炎(侵襲性歯周炎)
若年性歯周炎(侵襲性歯周炎)は、小学生から30代までの若年層に発症する歯周炎です。
一般的な歯周炎よりも、進行のスピードが早く、短期間で急速に悪化します。
前歯や6歳臼歯といった決まった場所に発症するケースが多く、要因としては、遺伝的な要素や特定の歯周病菌などが原因となっている可能性があります。
侵襲性歯周炎の場合は、早期に発見してすぐに治療を行わなければ、歯を失うことになってしまうため、気になることがあればすぐに受診してください。
気になることがない場合でも、定期的に歯科でお口の状態をチェックすることで早期発見の確率が高まります。
ご家族の皆さまで歯周病予防に取り組みましょう
むし歯と同じように、歯周病も細菌による感染症です。
生まれたてのお子さんのお口の中には、歯周病菌は存在していませんが、成長の過程で周りにいる大人のお口の中にある歯周病菌が唾液を介してお子さんのお口の中に入ります。
そのため、まずは周りにいる大人がしっかりとお口のケアをしておくことが大切なのです。
また、お子さんの場合は、年齢や成長に合わせたケアを行うことで、効果的に歯周病を予防することができます。
セルフケアを充実させましょう
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。
毎日の生活で、次のことに気を付けましょう。
・丁寧に歯を磨く
食後は丁寧に歯を磨きましょう。
自己流の磨き方では、汚れを十分に落とせていない可能性がありますので、定期的に歯科医院で磨き方のチェックを受けるのがおすすめです。
特に、お子さんの場合は、乳歯から永久歯に生えかわるまで、お口の中が常に変化しています。
永久歯が生え揃うまでは、歯の高さが揃わないため歯磨きが難しく磨き残しが多くなりがちです。
お子さんお一人では汚れを落とすのが難しいため、永久歯が生えそろうまでは、仕上げ磨きを続けましょう。
・歯間ブラシやデンタルフロスを活用する
歯周病の原因はプラークですが、プラークは歯と歯の間や歯と歯ぐきのすき間などにたまりやすいとされています。
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシ1本だけでは完全に取り除くことはできません。
歯ブラシ1本だけで落とせる汚れは6割程度とされているのです。
けれども、歯間ブラシを併用することで85%、デンタルフロスを併用することで79%まで上がることがわかっています。
参考:神奈川県「今日から始めるすき間ケア」毎日のむし歯歯周病対策より >
デンタルフロスや歯間ブラシはお子さんでもお使いいただけます。
年齢や歯の大きさに合うフロスの選び方や使い方をアドバイスしますので、お気軽にご相談ください。
定期的に歯科医院でプロケアを受けましょう
歯科医院では、お口の中をすみずみまでチェックした後で、お口の状態に合わせて、
・クリーニング
・スケーリング
といった処置を行います。
デンタルフロスや歯間ブラシを使って毎日しっかり歯を磨いていても、すべての汚れを取り除くことはできません。
また、歯垢が固まった歯石になると、歯磨きでは落とすことは不可能です。
歯科では歯周病の原因となる歯垢や歯石をスケーラーという専用の機器を使用して除去していきます。
当院では、歯石取りがしみて痛いという方には、麻酔を行うことも可能です。
お口をキレイにした後は、毎日のセルフケアに関するアドバイスを行います。
ご自身のお口に合う歯ブラシやデンタルフロスの選び方や歯の磨き方など、オーダーメイドの歯磨き指導を行っていますので、毎日の歯磨きに取り入れてください。
歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどなく、気付かないうちに進行してしまっているケースも少なくありません。
「子どもだから大丈夫」と思うことのないように、気になることがあればできるだけ早く歯科を受診しましょう。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】では、患者さんお一人お一人に合わせた予防ケアをご提案します。
お子さんも含めてご家族皆さまで、定期検診にお越しください。
当院は県道389号線沿いにあり、駐車場は12台分完備しています。
岡山方面からお越しの方は、交差点を右折して、西側入口よりお入りください。