皆さん、こんにちは。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】です。
妊娠がわかると、赤ちゃんを迎えるためにさまざまな準備が必要になります。
体調が変化する中で、赤ちゃん用品のお買物や、妊婦検診などお忙しくされている方が大多数だと思いますが、妊婦検診だけでなく、「お口の検診」も大切です。
ここでは、妊娠中のお口のケアについて詳しくお話します。
谷村 博史 院長
当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。
医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長
Contents
健康なお口をつくるマイナス1歳からのお口のケア
マイナス1歳とは、赤ちゃんが生まれる前、つまりお母さんのお腹の中にいる時期です。
赤ちゃんの歯は、お腹の中にいるときから作られ始めます。
妊娠7〜10週前後で、歯のもとになる「歯胚」ができ始め、妊娠4〜5ヶ月になると、カルシウムやリンが含まれ初めて少しずつ硬くなるのです。
妊娠中に、栄養バランスの整った食事を心がけてお口の中を清潔に維持することで、丈夫な歯の元がつくられます。
また、妊娠中にお母さんがむし歯や歯周病になると、生まれてくる赤ちゃんもむし歯や歯周病になりやすくなるなど、お子さんのお口の健康にマイナスの影響を与えることがわかっています。
お口の健康は全身の健康とつながりがあり、すこやかな発育のためには、お口の中が健康であることが大切です。
「マイナス1歳のお口のケア」では、むし歯や歯周病を予防するために、
・定期検診
・クリーニング
・歯磨き指導
を行い、清潔で健康なお口を維持できるようにサポートします。
定期検診
むし歯や歯周病は初期のころには自覚できる症状がほとんどなく、気付かないうちに進行しているケースが少なくありません。
定期検診では、お口の中をすみずみまで調べて、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療につなげます。
クリーニング
ご家庭での歯磨きだけでは落とすことができない汚れを、専用の薬剤と機器を使って徹底的に取り除きます。
歯磨き指導
毎日頑張って歯を磨いていても、磨き方に問題があれば効果的に汚れを除去できていない恐れがあります。
お一人お一人のお口に合わせた磨き方や、歯ブラシやデンタルフロスなどのデンタルケアグッズの選び方などをアドバイスしますので、毎日の歯磨きに取り入れましょう。
妊娠中にお口のケアが必要となる理由
妊娠中に起こるさまざまな変化が、お口のトラブルの原因となります。
「つわり」で歯磨きが思うようにできない
妊娠すると、黄体ホルモンのプロゲステロンが増加して、体内にガスが溜まりやすくなります。
その結果、吐き気や嘔吐、食欲不振といった「つわり」とよばれる症状があらわれます。
「つわり」の症状には個人差がありますが、歯ブラシを口に入れることすらできなくなるという方もいらっしゃるのです。
歯磨きが思うようにできないと、お口の中に食べかすが残り、むし歯や歯周病の原因となります。
食事や間食が増える
妊娠すると、「食べたいもの」「食べられるもの」に偏りが出て、食生活が妊娠前とは変わってしまう方が多くいらっしゃいます。
食べものを口に入れていることで吐き気がおさまる「食べづわり」の方は、食事や間食の回数が増える傾向にあります。
また、中期以降になって胎児が大きくなると、胃が圧迫されて一度に食べられる量が減り、食事の回数が増えるというケースも少なくありません。
お口の中に食べものが入っている時間が長くなればなるほど、むし歯になるリスクが高まります。
唾液の分泌量が減少する
妊娠するとホルモンのバランスが崩れて、唾液の分泌量が低下します。
さらに、妊娠による不安や緊張といった気持ちの変化も、唾液の減少と関係があるとされているのです。
唾液には、
・食べかすや細菌を洗い流す
・細菌の働きを抑制する
・溶けかかっている歯の表面を修復する
といった働きがあります。
そのため、唾液が減ることでむし歯や歯周病になりやすい環境となるのです。
妊娠中に起こりやすいお口のトラブル
妊娠中には、次のようなお口のトラブルが多いとされています。
歯周病
妊娠すると、女性ホルモンの分泌量が増加することで、歯ぐきへの血流量が増えて代謝が活発になり、歯ぐきに炎症が起こりやすい状態となっています。
また、特定の女性ホルモンが歯周病の原因となる細菌の増殖を促すことから、妊娠中は歯周病が早く進行するとされています。
むし歯
妊娠中は唾液の量が減ったり、つわりで嘔吐したりすることで、お口の中が酸性になっている状態が長くなる傾向にあります。
また、食事の回数が増えることで、お口の中に食べものが入っている時間が長くなり、むし歯にかかりやすい状態が続きます。
口内炎
妊娠中は免疫機能が低下します。
さらに、体調の変化や不安がストレスとなり血流や代謝を滞らせやすくなります。
お口の中が傷つきやすくなる上に、粘膜の回復力が低下して、口内炎ができやすい状態となるのです。
口臭
お口の中の汚れを洗い流す役割を担う唾液の分泌量が低下することで、お口の中が不衛生となり口臭の原因となります。
妊娠性エプーリス
妊娠中は、女性ホルモンの関係で歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。
妊娠性エピ―リスは、歯ぐきにできる良性の腫瘍です。
歯と歯の間の歯ぐきが腫れて、さわると痛みがあったり、出血したりします。
妊娠中期にできやすく、出産後に自然と治るケースが大半ですが、そのままにしていると歯周病の原因となる可能性があります。
マイナス1歳からお口のケアを始めるメリット
マイナス1歳からお口のケアを始めることで、お母さん、そして赤ちゃんにとって次のようなメリットが期待できます。
お母さんのお口へのメリット
お口のケアを行うことで、むし歯や歯周病などのお口のトラブルを予防する効果が期待できます。
万が一、むし歯や歯周病になったとしても、検診を受けていれば早期に発見できます。
特に、妊娠中は歯周病に注意が必要です。
歯周病が重症化すると、お口の中だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
妊娠中に歯周病が悪化すると、血管に入り込んだ炎症性物質が子宮に刺激を与えて、子宮を収縮させます。
出産予定日よりも前に子宮収縮が起こることで、
・早産
・低出生体重児の出産
が引き起こされるリスクが高くなるのです。
また、むし歯や歯周病を早期に発見できれば、治療にかかる時間や通院の回数が抑えられます。
妊娠後期になってお腹が大きくなると、診療台に座ることが負担となり、治療が受けられないケースも少なくありません。
また、出産後は体力の回復や赤ちゃんのお世話が優先となり、歯科に行く時間が確保できずに、治療が後回しになってしまうことも。
安定期の間に健康なお口を作っておくことで、お口のことで悩むことなく、出産や赤ちゃんのお世話に集中できる環境が整います。
赤ちゃんのお口へのメリット
生まれたての赤ちゃんのお口の中には、むし歯や歯周病の原因となる細菌が存在していません。
成長の過程で、唾液を介してお口の中にむし歯や歯周病の原因となる細菌が入り、
・原因となる細菌
・細菌のエサとなる歯垢
・むし歯や歯周病になりやすいお口の環境
が揃うことで、むし歯や歯周病になるのです。
周りにいる大人のお口の中が健康であれば、むし歯や歯周病への感染を遅らせることができますので、お母さんだけでなく家族全員でお口のケアを見直して、健康な状態を維持できるように心がけましょう。
健康な歯は、お子さんへのかけがえのないプレゼントです。
むし歯や歯周病は、歯を失う原因の第1位と2位の病気とされています。
参考: 厚生労働省e-ヘルスネット 「歯の喪失の原因」より >
歯は一度失ったら二度と元には戻らず、どのようにすぐれた治療でも、生まれ持った歯にはかなわないのが現状です。
歯の残存数が多ければ多いほど、ご自身の歯でしっかりと噛めて、心身ともに充実した健康的な生活を送っていただけます。
「乳歯はいずれ抜けて永久歯に生え変わるから、むし歯になっても大丈夫」とお考えの方もいらっしゃいますが、乳歯がむし歯になると永久歯もむし歯になる可能性が高くなります。
生まれる前からお口のケアに取り組み、むし歯や歯周病を予防することで、健康な永久歯、健康な身体をつくることができるのです。
妊娠中のお口のケアは「ウィステリアデンタルオフィス」にご相談ください
妊娠中は、初期であれば応急処置にとどめて、安定期に入ってから治療を行うこともあります。
妊娠後期に入ると、お腹が大きくなることで歯科治療が負担となる可能性がありますので、母体への影響が少ない安定期のうちに治療を終えましょう。
また、服用できる薬にも限りがありますので、妊娠中は抜歯や外科的な処置は基本的には行いません。
できるだけ治療をする必要がないように、定期的に歯科検診を受けてお口の健康を維持することが大切です。
治療や処置を行う際は、体調に配慮して行いますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】のマタニティ歯科では、患者さんお一人お一人に合わせた治療や予防処置、お口のケアをご提案します。
生まれる前から、そして生まれてからも、お母さんと赤ちゃんのお口の健康維持をサポートしますので、ご家族皆さんで定期検診にお越しください。
当院は県道389号線沿いにあり、駐車場は12台分完備しています。
岡山方面からお越しの方は、交差点を右折して、西側入口よりお入りください。