歯周病が血管を詰まらせる!?歯磨きで動脈硬化のリスクを下げよう

2022/05/15 【】

皆さん、こんにちは。

倉敷の歯医者「Wisteria dental office(ウィステリアデンタルオフィス)」です。





歯周病は、お口の中だけの問題だと思ってはいませんか?


歯周病を放置しておくと、さまざまな全身疾患を引き起こすリスクがあります。


歯周病が原因で、血管が詰まってしまうなんてことも起こりうるのです。


今回は、歯周病の原因やリスク、予防法をご紹介します。

谷村	博史 院長
谷村 博史 院長

谷村 博史 院長

倉敷市の【Wisteria dental office】院長の谷村 博史です。
当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。

医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長






歯周病とは

歯周病になると、歯ぐきや顎の骨などの歯周組織に炎症が生じます。


歯ぐきの腫れや出血を伴い、進行が進むと顎の骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。


また、歯周病は自覚症状が少ないため、「お口の中のサイレントディジーズ(静かなる病)」とも呼ばれています。


じつは、歯周病は歯を失うリスクナンバーワンだと分かっています。


気が付かないうちに、進行して最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあるのです。





歯周病の原因

歯周病の原因は、主に歯垢(プラーク)や歯石です。


歯磨きが不十分、定期検診に通っていない状況であれば、歯垢や歯石が溜まり歯周病を引き起こします


他にも、さまざまな原因で歯周病のリスクを高めます。


・歯ぎしり、食いしばり
・喫煙
・不規則な食習慣
・補綴物の不適合
・歯並び
・全身疾患(糖尿病、ホルモン、骨粗鬆症)
・ストレス
・薬の副作用
・妊娠など女性ホルモンの影響
・家族間の感染
・年齢
・遺伝


必ずしも何かひとつ当てはまるだけで歯周病を引き起こす訳ではありませんが、歯周病のリスクを高めないためにも、歯科医院での定期的なチェックが大切です。





歯周病の進行

健康な歯の状態から歯周病が進行して悪化した状態まで、詳しく段階を見ていきましょう。


(1)健康な歯


歯ぐきは引き締まり、色はピンクです。


弾力があり、歯磨きをしても出血はありません。


(2)歯肉炎


歯垢(プラーク)が溜まり、放置すると歯ぐきに炎症が起きます。


歯ぐきに赤みや腫れが見られ、歯と歯ぐきの間のすき間が2〜3mm程度と広がります。


(3)歯周炎(軽度)


歯ぐきの炎症がひどくなり、顎の骨にも炎症が広がりはじめます。


歯と歯ぐきのすき間は、3〜5mmと深くなります。


(4)歯周炎(中度)


炎症が大きくなり、顎の骨もどんどん溶かされていきます。


歯と歯ぐきのすき間は、4〜7mmとなり、歯がゆれ動きはじめます。


(5)歯周炎(高度)



歯を支えている部分の顎の骨は半分以上溶かされて、歯がグラグラと上下左右に動きます。


歯と歯ぐきのすき間は、6mm以上にもなります。


歯と歯ぐきのすき間が健康な状態から、やがて歯周ポケットと呼ばれる病的なすき間に変わってしまいます。


歯医者では、この深さを調べることで歯周病の進行を知ることが可能です。





歯周病は全身疾患も引き起こすリスクがある!?

歯周病は、口内だけの病気だと思われがちですが、じつは全身にも悪影響があります。


歯周病のせいで、命に危険があるなんて考えてもみませんよね。


歯周病を放置することで、引き起こす可能性のある全身疾患を詳しくみていきましょう。





【全身への悪影響(1)】心血管疾患

歯周病の細菌が出す毒素が血管に入り込み、血栓を作る原因になります。


これにより、心筋梗塞や狭心症などを引き起こします。





【全身への悪影響(2)】脳血管疾患

歯周病の細菌が出す毒素が血管に入り込み、血管を詰まらせます。


これにより、動脈硬化を引き起こし、脳卒中などの脳血管疾患に発展します。





【全身への悪影響(3)】糖尿病

歯周病と糖尿病は相互に関係しています。


歯周病菌が萌出する炎症物質が血管に入り、インスリンを効きにくくします。


歯周病を治療すると、糖尿病も改善することが明らかになっています。





【全身への悪影響(4)】誤嚥(ごえん)性肺炎

食べ物と一緒に気管に入った際に誤嚥性肺炎を引き起こします


歯周病菌が口内にいると、誤嚥によって肺にも感染を起こします。





【全身への悪影響(5)】低体重児出産・早産

歯周病の萌出する毒素により、子宮の収縮を引き起こします。


それにより、早産や低体重児出産のリスクが高くなります。





【全身への悪影響(6)】骨粗鬆症

歯周病は、顎の骨が減る骨の病気でもあります。


骨粗鬆症にかかると、顎の骨にも悪影響を及ぼして歯周病も悪化します。





歯周病のセルフチェック

歯周病のリスクがあるのか簡単にチェックしてみましょう。


・起床したとき、お口がネバネバする
・歯ぐきの腫れ
・口臭が強い
・歯磨き中に出血する
・歯ぐきに膿がある
・歯がグラグラ動く
・歯が伸びたような気がする
・歯と歯の間に食べ物が詰まる 
・歯と歯の間に隙間ができた


ひとつでも当てはまる場合は、歯周病のリスクが高いため早めに歯医者を受診しましょう。





歯周病の予防をしてさまざまな全身疾患のリスクを下げよう

歯周病を予防することで、さまざまな全身疾患のリスクを下げられます。


もはや歯周病は、お口の中だけの病気ではありません。


「歯ぐきから出血した」「歯ぐきが腫れている」など痛みはなくても歯周病が進行している可能性が高いです。


早期発見と早期治療により、歯周病の進行をくいとめ、全身の健康も保てます





【歯周病予防(1)】定期検診

歯医者で定期検診を受けましょう。


むし歯などのトラブルが今までなく、歯医者に通ったことがない人こそ検診にいくことをおすすめします。


歯周病は、自覚症状がなく進んでいることが多いため歯医者に通っていない人は、もしかすると歯周病に罹患している可能性があります。


また、治療を終えた人も1〜4カ月に1回と徐々に期間を開けながら定期健診を受けましょう。





【歯周病予防(2)】セルフケアの改善

毎日の歯磨きは口内を整えるため正しい方法で行えているか一度確認してみましょう。


今まで何十年行ってきた歯磨きでも、あなたに合った方法とは限りません。


口内環境は日々変化しています。


歯並び、被せ物の有無、歯周病の状態などによっても磨き方を変えるべきです。


当院では、あなたに合った歯磨き方法を指導しております。


また、どんな清掃用具を使用するべきかもご提案しています。


正しい歯磨きを習得して、歯周病や歯周病による動脈硬化などのリスクを下げることができます。


ただの歯磨きと思うかもしれませんが、歯磨きで命に関わるような病気まで予防ができるのです。





【歯周病予防(3)】生活習慣の見直し

歯周病の原因のひとつでもある、生活習慣の見直しをしましょう。


特に、疲れやストレス、食生活、飲酒・喫煙により歯周病が悪化します。


自分自身の生活を見直して、改善することで歯周病のリスクが下げられます。


定期検診とセルフケアにプラスして、生活習慣の見直しもしてみましょう。





歯周病予防ケアの内容

歯医者で行う歯周病予防を受けるのに不安がある方も多いです。


痛みがあるのでは?と歯医者に通うのを避けている方もいるのではないでしょうか。


ケアの内容を詳しく見ていきましょう。





スケーリング

スケーリングとは、歯科医師や歯科衛生士が専用の機器を使用して、歯垢や歯石を取り除くクリーニングです。


特に、歯石は歯垢が石のように固まった塊のため、歯磨きでは取り除けません


歯周病の原因である、歯垢や歯石をしっかりプロに取り除いてもらいましょう。


確かに、歯石が多い方は、スケーリングで知覚過敏の症状を感じることがあります。


しかし、日にちが経てば、歯ぐきは引き締まり、しみる症状は落ち着いてきます。


歯石が多く溜まる前に、定期的にスケーリングを行えば、痛みもなく口内を健康に保てますよ。





フッ素塗布

フッ素を塗布すると、「むし歯細菌の働きを抑制」、「歯を強くする」、「再石灰化(初期のむし歯が治る)」といった効果を得られます。


むし歯の予防効果があるフッ素ですが、むし歯菌が減ると口内環境が整います


結果的に歯周病も防げるため、フッ素塗布を行いましょう。





定期検診と歯磨きで歯周病と全身疾患を予防しよう

歯周病ではなく、予防のために定期健診を受ける場合は、基本的には3〜4カ月に1回、少なくと


も半年に1回は定期健診を受けることをおすすめします。


また、定期検診と正しい歯磨きどちらも続けることで、口内と全身の健康を保ちましょう。





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