皆さん、こんにちは。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】です。
「むし歯になっても治療をすれば大丈夫」とお考えではありませんか?
むし歯を治療するためには、感染部分を削る必要があります。
削ることで進行を止めることはできますが、歯を削ることで歯の寿命を短くしてしまう恐れがあります。
削る量が多くなると、歯を失うことになりかねません。
ここでは、できるだけ歯を削らないために大切なことについてお話しします。

谷村 博史 院長
倉敷市の【Wisteria dental office】院長の谷村 博史です。当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。
医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長
歯は削れば削るほど弱くなる
むし歯治療では、進行を止めるために感染部分を削って、削った部分を詰め物や被せ物で補います。
むし歯治療で歯を削る理由
むし歯治療で歯を削る理由は、大きく分けて2つあります。
1.感染部分を取り除くため
むし歯は、細菌による感染症です。
お口の中にいる細菌が飲食物に含まれる「糖」をエサに作り出した「酸」によって、歯が溶かされることで、むし歯が発生します。
むし歯菌は「酸」を生み出し続けるため、歯の内側へ、感染が広がります。
進行したむし歯は、自然と治ることはありません。
進行を止めるためには、感染部分を完全に取り除く必要があります。
2.詰め物や被せ物を安定させるため
感染した部分を削ったら、削った部分を詰め物や被せ物で補います。
むし歯は複雑な形状に広がることが多く、感染部分を削っただけでは、土台が整っていない状態です。
土台が整っていない状態で、被せ物や詰め物を装着すると、不安定となり外れてしまう可能性があります。
被せ物や詰め物を安定させるために、歯を削って適切な形に整える必要があるのです。
むし歯治療で歯を削るとどうなる
進行したむし歯の治療においては、歯を削るということは避けられません。
けれども、一度削った歯は、二度と元には戻りません。
被せ物や詰め物で補ったとしても、天然の歯にまさるものはないのが現状です。
そのため、削る量が多ければ多いほど、歯は弱くなってしまいます。
また、むし歯が歯の内部にある神経にまで広がった場合は、歯を削ってから神経を取り除きます。
神経は歯の命ともいわれていて、神経を失うと血管から栄養や酸素を供給することが難しくなり、歯がもろくなってしまうのです。
また、神経には痛みを伝える働きもあるため、神経を失うとむし歯が再発したときに発見が遅れてしまい、重症化してしまう恐れがあります。
むし歯をくり返すと、歯を削る量が多くなり、歯を失うことになりかねません。
できるだけ削らない治療とは?
当院では、大切な歯を守るために、できるだけ歯を削らない治療をめざしています。
削る量を最小限に抑えるために
歯を削る量を最小限に抑えるためには、むし歯を早期に発見することが大切です。
ごく初期の段階で発見できれば、歯を削ることなく、元の状態に戻せる可能性があります。
初期のむし歯は、脱灰(だっかい)と呼ばれる状態から始まります。
脱灰とは、むし歯菌が作り出した「酸」によって、歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すことです。
この段階で、溶け出したリンやカルシウムを歯の表面に戻す「再石灰化」を促すことで、健康な状態に戻すことができます。
再石灰を促すためには、歯の表面を清潔にした上で、
・フッ素塗布を行う
・唾液の分泌量を高める
ことが効果的です。
唾液には、食事によって酸性に傾いたお口の中を中和する働きがあります。
また、再石灰化に必要な成分が豊富に含まれていますので、唾液の分泌を促すことで、再石灰化が促されるのです。
フッ素には、歯の再石灰化を助けて歯質を強化する効果が期待できます。
歯科医院では高濃度のフッ素を塗布します。
歯科医院でのフッ素塗布に加えて、毎日の歯磨きの際にフッ素配合の歯磨き剤や洗口液などを使うのもおすすめです。
万が一、発見が遅れて、歯を削る治療が必要となった場合でも、発見が早ければ早いほど、削る量を抑えられる可能性があります。
むし歯は初期の段階では、自覚できる症状が少ないため、発見が遅れる傾向にあります。
ご自身で発見することは難しいため、定期的に検診に行き、プロの目でチェックすることが大切なのです。
できるだけ削らない治療のメリット
できるだけ削らない治療を実践することで、患者さんにとって次のようなメリットがあります。
天然の歯を長く残せる
削る量が少なければ少ないほど、歯に与えるダメージを抑えることができ、歯を長く残せる可能性が高まります。
どんなに優れた詰め物や被せ物も、天然の歯に勝るものはありません。
できるだけ歯を多く残すことが、歯の寿命を延ばすことになるのです。
治療の痛みや負担が少ない
感染部分が神経に近づけば近づくほど、痛みが大きくなる可能性があります。
神経に近いところを削ると、治療後にしみたり痛みが出たりすることもあります。
削る量を最小限に抑えることで、治療時の痛みも少なくすむ可能性があるのです。
治療回数やコストを抑えられる
削る量が多くなればなるほど、治療の回数は多くなる傾向にあります。
治療の回数が増えれば、通院費用も高くなります。
削る量を抑えることで、通院の負担の軽減につながるのです。
見た目が自然に仕上がる
削った部分は、詰め物や被せ物で補う必要があります。
歯科素材にはさまざまな種類がありますが、素材によっては天然の歯との違いがめだってしまうことがあります。
再治療のリスクを減らす
歯を大きく削ると歯はもろくなり、むし歯の再発や破折のリスクが高くなります。
むし歯の再発をくり返していると、歯を削る量が多くなり、最終的に歯を失うことになりかねません。
できるだけ削らないために大切なこと
歯をできるだけ削らないためには、むし歯の早期発見はもちろんですが、何よりも「予防」に取り組むことが大切です。
毎日のセルフケア
むし歯を予防するためには、日々の取り組みが大切です。
歯磨きの精度を高める
むし歯予防の基本は、毎日の歯磨きです。
むし歯は、
・むし歯菌
・むし歯菌のエサになる糖
・酸にとかされやすい歯質
といった3つの要素が重なったときに、時間の経過とともに発生します。
歯磨きは、むし歯菌のエサとなる食べ残しを取り除くために行うものです。
効果的に汚れを取り除くためには、お一人お一人に合う「磨き方」を習得することが大切です。
自己流の磨き方では、汚れを落とせていない可能性があるため、歯科医院で磨き方のアドバイスを受け、実践しましょう。
また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどのデンタルケアグッズを活用することも効果的です。
歯磨きは、毎食後行うのが理想です。
「食べたら磨く」を徹底し、お口の中に食べカスを残さないようにしっかりと磨きましょう。
毎食後磨くことができない場合は、うがいだけでもしないよりは効果があります。
寝ている間は、唾液の分泌量が低下し、むし歯になるリスクが高くなるため、寝る前の歯磨きは、特に念入りに行いましょう。
食習慣の見直し
歯磨きだけでなく、食習慣の見直しも必要です。
食事の際は、
・むし歯菌のエサとなる「糖」の摂取量をコントロールする
・間食を控える
・しっかりと噛んで唾液の分泌を促す
といったことを心がけましょう。
食べ物がお口の中に留まる時間が長ければ長いほど、お口の中は酸性に傾いたままになり、歯の表面からリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」の時間が長くなります。
脱灰が進むとそのままむし歯になってしまうため、時間を決めて食事や間食をとるようにしましょう。
また、むし歯予防に効果がある唾液の分泌を促すためには、しっかりと噛むことが大切です。
「1口30回」を合言葉に、しっかりと噛むことを心がけましょう。
歯科医院で行うプロケア
セルフケアだけでは、むし歯を予防することは困難です。
むし歯を早期に発見するためには、定期検診が必要です。
定期検診では、
・お口のチェック
・歯科のクリーニング
・歯磨き指導
などを行います。
お口のチェック
初期のむし歯は自覚症状がほとんどないため、患者さんご自身で発見することは難しいでしょう。
定期検診では、お口の中をすみずみまで調べます。
プロの目で見れば、些細な変化にもすぐに気付き、早期治療につながります。
定期検診の間隔は、お口の状態によって異なりますが、お一人お一人に適したタイミングで検診を受けることで、むし歯を早期に発見することが可能です。
歯科のクリーニング
歯科のクリーニングでは、歯磨きでは取り除けない汚れを、専門の機器と薬剤を使って取り除きます。
毎日がんばって歯を磨いても、歯磨きだけではすべての汚れを取り除くことは難しく、少しずつ汚れが蓄積されていきます。
セルフケアと歯科のクリーニングを併用することで、お口の中を清潔な状態に保ちやすくなり、むし歯予防につながるのです。
歯磨きのアドバイス
お顔が年齢とともに変化していくように、お口の中も変化していきます。歯磨きの方法も、お一人お一人のお口の状態や年齢、時期によって異なります。
効果的に汚れを取り除くためには、定期的に歯磨きの方法を見直すことが大切です。
当院では、セルフケアのサポートも行っています。
歯ブラシや歯磨き粉の選び方、使い方を丁寧にわかりやすく説明しますので、どのようなことでもご質問ください。
むし歯予防は「ウィステリアデンタルオフィス」にご相談ください
倉敷の【ウィステリアデンタルオフィス】では、むし歯予防に力を入れています。
むし歯は、治療後に再発することが少なくありません。
そのため、治療後もお一人お一人に合った予防方法をご提案し、健康な状態を維持できるようにしっかりとサポートしますので、どのようなことでもご相談ください。
当院は、JR山陽本線「中庄」駅から徒歩15分のところにあります。
12台分の専用駐車場をご用意しています。