皆さん、こんにちは。
倉敷の歯医者「Wisteria dental office(ウィステリアデンタルオフィス)」です。
お子さんを歯医者に連れて行った際に、フッ素塗布を勧められた経験はありますか。
「フッ素って何?」「フッ素は口にいれても安全なの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょうか。
ここでは、「フッ素がなぜむし歯予防に効果があるのか」「フッ素の効果的な使い方」について解説します。
谷村 博史 院長
当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。
医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長
Contents
歯科で塗布するフッ素ってなに?
フッ素とは、元素記号「F」(原子番号9)の元素です。
フッ素は単体ではなく、別のものと結合した「フッ素化合物」として、地球上に存在しています。
歯科で扱っているフッ素とよばれているものも、フッ素をその構造内に持つ「フッ化物」です。
「フッ化物」は、岩や土壌のミネラル成分として、海産物や農産物などにも含まれています。
つまり、私たちは毎日の食事などで、体内に「フッ化物」を取り込んでいるわけで、「フッ化物」は人体にとって危険なものではありません。
ただし、「フッ化物」に限りませんが、過剰摂取は身体に悪影響を及ぼす恐れがありますので、量・濃度を守ることが大切です。
一般的に、むし歯予防を目的として歯の表面に塗布される「フッ化物」は、人体に悪影響を及ぼすことはありません。
フッ素がむし歯予防に効果がある理由
フッ素には、いくつかの働きがあり、用法・用量を守れば、むし歯予防に効果を発揮します。
ここでは、フッ素の働きについて紹介します。
フッ素の働き1.再石灰化を促す
食べものが口に入ると、むし歯菌が糖を取り込み、分解する過程で酸を算出します。
この酸によって、歯の表面からミネラル分が溶け出すのが「脱灰」です。
食事のたびに「脱灰」が起きますが、唾液によって酸が中和されて、ミネラル分がエナメル質に戻る「再石灰化」が起こることで、健康な状態を維持できます。
「脱灰」と「再石灰化」がバランスよく繰り返されているうちは、むし歯にはなりません。
けれども、食べものがお口に入っている時間が長くなるなど、「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れることで、むし歯が発生するのです。
そこで、リンやカルシウムを引き寄せる「フッ素」を塗布することで、「再石灰化」を促し、「脱灰」と「再石灰化」のバランスがとれたお口へと整えます。
歯の近くにフッ素が存在している状態が長ければ長いほど、「再石灰化」が促進されて、むし歯を予防する効果が高まるのです。
フッ素の働き2.歯質を強化する
フッ素を塗布することで、エナメル質が強化されて、歯そのものが強くなります。
歯の一番外側にあるエナメル質のほとんどは、リン酸カルシウムの一種である「ハイドロキシアパタイト」で構成されています。
「ハイドロキシアパタイト」は酸に弱く、酸に触れることでカルシウムやリン酸などのミネラル分が、結晶構造から溶け出すのです。
フッ素を塗布することで、「ハイドロキシアパタイト」の結晶構造の中にフッ素が入り込み、「フルオロアパタイト」という酸に対して安定感のあるより強い結晶構造へと変化するのです。
フッ素の働き3.むし歯菌の働きを抑える
むし歯菌が算出した「酸」によって、歯が溶かされることでむし歯が起こります。
フッ素には、むし歯菌の活動を抑える働きがあります。
また、フッ素には抗菌作用があり、酸を抑制する働きも期待できるのです。
子どもも大人も!フッ素塗布でむし歯予防
フッ素はお子さんに塗布するものというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、フッ素は大人のむし歯予防にも効果的です。
子どもも大人も、フッ素塗布を活用して効果的にむし歯を予防しましょう。
子どものフッ素塗布
生えたての乳歯を覆っているエナメル質は非常に薄くて柔らかいため、むし歯になりやすいとされています。
同時に、フッ素を吸収しやすいという特性もありますので、早めにフッ素を塗布することで、むし歯予防に効果が期待できるのです。
大人のフッ素塗布
大人にとっても、フッ素塗布はむし歯予防に効果的です。
大人のむし歯で多いのが、以前に治療したむし歯の再発である「二次むし歯」です。
むし歯を繰り返すと、歯に与えるダメージが大きくなり、歯を失うリスクが高まります。
定期的にフッ素を塗布して歯質を強化することは、「二次むし歯」の予防にも効果があります。
また、大人のむし歯では、歯ぐきが下がって歯の根元が露出した部分がむし歯になる「根元むし歯」にも注意が必要です。
フッ素塗布は、「根元むし歯」にも効果が期待できます。
歯科医院でフッ素を塗布するメリット
ドラッグストアに行けば、フッ素配合と書かれた歯磨き粉が並んでいますよね。
「フッ素が配合された歯磨き粉を使用しているから大丈夫」とお考えの方もいらっしゃいますが、歯科医院でのフッ素塗布は、ご自宅で行うものとは異なり、高い効果が期待できます。
濃度の高いフッ素を塗布できる
歯科医院で扱うのは、高濃度のフッ素です。
歯科医院で塗布するフッ素は9000ppmと高濃度なのに対して、自宅で使用できる歯磨き粉や洗口液に含まれているフッ素の濃度は、法律で1500ppmまでと定められています。そのため、市販されている歯磨き粉のフッ素濃度は、900〜1450ppm程度です。
歯科医院では、歯科医師または歯科衛生士が施術を行うため、高濃度のフッ素を塗布できるのです。
(参考: 厚生労働省eヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」より) >
むし歯のチェックやセルフケアの指導をしてもらえる
歯科医院では、フッ素を塗布する前に、お口の中のチェックを行います。
むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚できる症状がほとんどないため、気付かないうちに進行しているケースがめずらしくありません。
定期的にフッ素塗布する習慣があれば、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療につながります。
また、磨き残しなどがあれば、お一人お一人のお口に合わせて歯磨き指導も行います。
小さなころから、フッ素塗布のために歯科に通う習慣があれば、お口のケアに対する意識も高まり、健康なお口を維持しやすくなるでしょう。
フッ素塗布を効果的に行うポイント
フッ素は一度塗ったら終わりではありません。
できるだけ長く歯の表面に留めて、有効的に活用するために、次のことに気を付けましょう。
歯科医院で定期的に塗布する
お一人お一人のお口の状態によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月に一度のペースでのフッ素塗布がおすすめです。
初期むし歯がある、むし歯になりやすいなど、お口の中の状態によってフッ素を塗布する頻度は異なりますので、歯科医師の指示に従いましょう。
自宅でもフッ素ケアを行う
歯科医院でのフッ素塗布だけでなく、ご自宅でもできることがあります。
市販されている歯磨き粉には、フッ素が含まれているものが多くありますので、利用しましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使用する際は、
・口をすすぎすぎない
・就寝前に使用する
といったことを心がけましょう。
歯磨きの後に何度も口をすすぐと、お口の中に残るフッ素の量が少なくなります。
少ない水で、ブクブクと1〜2回だけすすぐようにしてください。
歯磨き後すぐは、飲食を控えるのもおすすめです。
寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、細菌が繁殖しやすい状態になりますので、寝る前の歯磨きはフッ素が配合されたものを使用して丁寧に磨きましょう。
フッ素洗口液(マウスウォッシュ)を使用するのもおすすめです。
歯科医院でのフッ素塗布の流れ
歯科医院でのフッ素塗布の流れについてご紹介します。
1.クリーニング
フッ素を歯に浸透させやすくするために、歯の表面の汚れを落とします。
2.フッ素塗布
歯の表面を乾燥させて、フッ素を塗りつけます。
フッ素を塗布したあとは、注意点の説明を行います。
フッ素を塗った後に、うがいや飲食を行うとフッ素が流れる可能性がありますので、フッ素塗布を行ってから30分ほどは、うがいや飲食は控えるようにしましょう。
フッ素を活用したむし歯予防は「ウィステリアデンタルオフィス」にご相談ください
むし歯は、細菌による感染症です。
一度進行すると、自然に治ることは難しく、段階的に進行し、歯に穴を開けます。
むし歯の治療では、感染した部分を削りますが、治療のためとはいえ、一度削った歯は二度と元には戻りません。
できるだけ歯を削ることなく、健康な状態で歯を残せるように、しっかりと予防することが大切です。
倉敷の歯医者【ウィステリアデンタルオフィス】は、年齢やお口の状態に合わせたむし歯予防をご提案しています。
年齢に応じた濃度のフッ素塗布を行っていますので、お気軽にご相談ください。
土曜17時・平日18時半まで診療しています(2024年3月現在)ので、ご都合にあわせてご来院ください。
12台停められる大型の駐車場をご用意しています。