歯周病は歯磨きで改善!~正しい歯磨き、できていますか?~【歯周病の予防】

2022/07/15 【】

皆さん、こんにちは。

倉敷の歯医者「Wisteria dental office(ウィステリアデンタルオフィス)」です。


歯周病は、歯を失う原因ナンバーワンであり、重症化すると全身疾患にもつながる生活習慣病のひとつです。


しかし重症化するまでは自覚症状が少ないため気づきにくい、というのが歯周病のやっかいなところ。


けれども唯一、いいところもあります。それは、歯磨きで予防・改善をめざせるというところです。


正しくてご自身に適切なブラッシング方法を身につけて、今日から歯周病のより効果的な対策を始めませんか?




谷村	博史 院長
谷村 博史 院長

谷村 博史 院長

倉敷市の【Wisteria dental office】院長の谷村 博史です。
当院では初診からすぐに治療をすることはいたしません。
まずはカウンセリングで患者さんのお悩みやお気持ちを理解することから始めます。
そして患者さんと一緒に治療の計画を立て、ご希望も考慮しながら段階を踏んで治療を進めていくことを徹底しています。
患者さんの歯への健康意識も年々高まっているかと思いますが、当院では歯が悪くなる前の「予防」「定期検診」に力を入れております。定期的に当院に通っていただくことで、将来の歯の残存率を高め、何歳になっても健やかな状態を保っていただきたいと考えています。

医院名:Wisteria dental office
所在地:〒701-0115 岡山県倉敷市二子201−1
監修者:谷村 博史 院長



歯周病の改善・予防に歯磨きが大切な理由

歯周病は、歯を支える骨などの周辺組織が溶かされてしまう病気ですが、原因は毒素を出す「歯垢(プラーク)」です。


この歯垢(プラーク)、適切な歯磨きを行っていると、ある程度は取り除けます。


ところが、歯磨き不足になっていて、十分に歯垢を取り除けていない方がとても多いのです。


「ええ?毎日ちゃんと歯磨きをしてるけど?」と思うかもしれませんが、お口の中の様子は、ご自身ではほとんど見えませんよね。


例えるなら四角い部屋をやみくもに丸く掃除しているようなもの。隅っこの汚れは取り残され、蓄積されていきます。歯も同じ。歯と歯のすき間や歯並びの凹凸に歯垢が溜まって菌が繁殖し、歯周病を進行させるのです。


歯周病の原因「歯垢(プラーク)」を取り除けるから

歯周病の原因である 「歯垢(プラーク)」の正体は何かというと、細菌のかたまりです。


歯垢は、食事をしてから8時間くらいで形成されるべたつきのある黄白色の物体で、1mgのなかには数億から数兆もの細菌が棲んでいます。


歯垢はしばらくたつと、細菌の代謝物とお口の中のタンパク質が混ざってバイオフィルムという膜を形成します。


さらに歯垢に潜む細菌が死骸になると、唾液中のカルシウムを含んで硬い歯石になります。


こうなると、ご自身での歯磨きでは取り除けなくなります。


バイオフィルムや歯石になる前に、歯磨きで歯垢を除去するようにしましょう。


歯石があると歯垢(プラーク)がつきやすい

歯垢が硬くなって歯石化してしまうと、さらにその表面に歯垢がたまりやすくなるのです。


歯石の表面はザラザラしていて、無数の小さな穴があいている軽石のような状態です。そのため、歯の表面よりも歯垢が付着しやすい環境になっています。歯石の表面にあいた穴は、細菌のかっこうの棲みかになるのです。


このような悪循環を招かないためにも、歯石にならないうちに歯垢を取り除いたほうがいいことがわかりますよね。


歯石があると歯ぐきの炎症がよくならない

歯石がたまったままにしていると、歯周病で歯ぐきに生じた炎症が改善しません。それどころか、どんどん炎症の範囲を広げて歯周病を悪化させる恐れがあります。


歯垢は「歯磨き」で、歯石は「歯科医院」で取り除ける

歯垢も歯石も、わたしたちが生きて食事をする限り、なくなることはありません。常に溜まっていきます。


だからこそ毎日の歯磨きが大切です。そして、歯磨きでは除去できない歯石は、歯科医院でのクリーニングで定期的に除去しましょう。


歯周病を放置しているとどうなる?

ところで歯周病ですが、実際のところ、いったいどれくらい恐ろしい病気なのでしょうか?


歯周病は成人の約8割がかかっている国民病

成人の約8割が「歯周病患者」もしくは「歯周病予備群」にあたるといわれています。


かつては40歳以上の中高年世代がかかりやすいという認識でしたが、実際には、20歳前後でも軽度の歯周病にかかっている人は6割ほどいるといいます。


加齢だけが原因と考えるのは危険で、誰しもがかかる恐れがある病気ということです。


歯周病は歯を失う原因ナンバーワン

歯を失う原因の第一位は、歯周病です。2018年に行われた厚生労働省による調査では、抜歯の主な原因は以下の通りでした。


1位 歯周病 37.1 %
2位 むし歯 29.2%
3位 破折  17.8%


歯周病が、むし歯よりも歯の喪失の原因として上位であることがわかりました。


「むし歯予防」という言葉は子どものころからよく耳にしてきましたが、「歯周病予防」というのは意識しないで大人になった方は少なくないかもしれません。


しかし実際には、むし歯と同様に、いやそれ以上に、歯周病予防は歯の健康のために重要なのです。


歯周病は全身の病気を引き起こす

さらに知っておきたいのが、歯周病はお口だけの病気ではないということです。


歯周病が重症化すると、歯を失うだけでなく、命にかかわるような全身疾患を引き起こすリスクがあるのです。


歯周病と深い関係がある病気には、以下があります。


・動脈硬化
・心疾患
・誤嚥性肺炎
・骨粗しょう症
・早産・低体重児出産
・認知症
・糖尿病
 など





▼歯周病と全身の病気の関係について詳しく知りたい方はこちら▼
歯周病が血管を詰まらせる!?歯磨きで動脈硬化のリスクを下げよう


歯周病は重症化するまで自覚症状がない

そんな全身疾患にもつながる歯周病ですが、初めは自覚症状がありません。出血や歯のぐらつきなどの症状を感じたときには、かなり重症化しているのです。


歯はいちど失ったら再生しませんから、そうなる前に予防・改善に努めるのが得策です。


【セルフケア】正しい歯磨きの方法を身につけよう

歯周病の脅威をお伝えしてまいりましたが、日頃からしっかりと歯磨きをしていれば予防できます


歯周病の唯一ともいえる「いいところ」は、予防できる病気であるという部分です。


正しい歯磨きの方法を身につけて、歯周病の予防・改善をめざしましょう。


食後30分以内に歯磨きを!

歯磨きするなら、効果的なタイミングで行いたいですよね。


それは、食後30分以内


お口の中は、食後30分~1時間で酸性に傾きます。そうなると、酸が歯を溶かし始めますので、その前に磨いてしまいましょう。


食後30分以内に歯磨きをすれば、菌のエサになる糖質はもちろん、むし歯菌・歯周病菌そのものを減少させることができるのです。


寝る前の歯磨きの予防効果が高い!

就寝前の歯磨きも効果的です。


寝ている間は唾液の分泌が減り、口内が乾燥します。そのため菌が活発化するのです。歯垢もたっぷりつくられます。朝起きたときに口内がネバネバするのはそのためです。


歯を磨き、細菌をやっつけて、お口をさっぱりさせてから寝るようにしましょう。


正しい歯ブラシの使い方

やみくもに歯磨きをしていませんか?


歯磨きにだって、効果を高めるやり方があるのです。


ブラッシングの効果を高めるために、適切な歯ブラシの使い方を身につけてみませんか?


バス法

歯垢がたまりやすい歯周ポケット(歯と歯ぐきの境)のブラッシング効果が高まる方法です。


出血がある腫れた歯肉をケアできます。


1.歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境に45度の角度で当てます
2.歯周ポケットに歯ブラシの毛先が入り込むように意識しながら細かく揺らします。
3.歯ブラシは軽く持ち、揺らすような感覚で磨きます。


スクラビング法

歯の表面の汚れを取り除ける、特に清掃効果が高い方法です。


1.歯の表面に対して歯ブラシを直角に当てます
2.左右に小刻みに動かして歯の表面を磨きます。
3.歯ブラシは強く握らず、ペンを持って揺らすような感覚で磨きます。



どこを磨くのかをしっかりと考え、歯1本1本の表面、側面、歯周ポケットなど、ていねいにブラッシングするのが清掃効果を高めるコツです。


デンタルフロスを使う

歯垢がたまりやすい歯と歯のすき間の汚れは、歯ブラシ1本の歯磨きでは取り除けません。


歯ブラシのみの歯磨きでは、全体の4割は磨き残してしまうといわれています。


デンタルフロスを取り入れて、磨き残しゼロをめざしましょう。




デンタルフロスの使い方

フロス初心者の場合は、持ち手のついたホルダータイプがおすすめです。


1.フロスの糸の部分を、歯間の歯の根元まで滑り込ませます。
2.歯の根元から歯の側面に沿って汚れを掻き出します
3.慣れなくてフロスの出し入れが難しいときは、細かく揺らすようにすると動かしやすいです。


歯科医院ではお一人お一人に合った適切なブラッシングの指導を受けられる

適切な歯磨きの方法は、お口の状態によっても異なります。


デコボコした歯並びのところや、奥歯の歯ブラシが届きにくいところに磨き残しがあるなど、お一人お一人、歯磨きが苦手な場所も違います。


より効果的に歯磨きを行うためには、歯科医院へ定期検診に通うのがおすすめです。その時のお口の状態に合った歯磨きの方法のアドバイスを受けられます。


歯科医院の【プロケア】とご自宅の【セルフケア】の両立で予防効果アップ!

歯科医院では、ご自身に合った歯磨きのポイントが身につくほか、セルフケアでは取り除けない汚れをキレイに清掃できます。


セルフケアではおよそ2割の汚れは取り除けないまま蓄積していくといわれていますので、定期的に歯科医院のプロケアですっきりキレイに除去しましょう。


セルフケアとプロケアの両立で、歯周病の予防効果が劇的に高まります


▼歯科医院での予防について詳しく知りたい方はこちら▼
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